ガマ [草や木そして花]
名称: ガマ
分類: ガマ科ガマ属
撮影: 2006.6.26 甲府市下今井町・新五割川にて
川や沼のほとりなどの、淡水域の泥地に生える多年草です。
6~8月に花の時期があります。花は、一つ一つはとても小さいのですが、
集まって花穂を形成し、それがフランクフルトソーセージのような形をします。
葉よりも高く伸びる独特な形の花穂の大部分は雌花で、上の方に雄花がつきます。
秋になって実が熟すと、タンポポの綿毛のある種子みたいに、
ふわふわと白い綿毛をもった実が風に飛んでいくのが見られます。
ガマというと、「因幡の白ウサギ」のお話を思い浮かべますが、
傷ついて泣き暮らしているウサギを見つけた大国主命が、
潮気を真水で洗い流した後、ガマの穂にくるまって傷を治す手当をしたということですが、
わが国の薬に関する最も早い記録と見る向きもあります。
実際、ガマは、花粉が放出される前に採取し、紙の上などで乾燥させると
しばらくして黄色の花粉が採れ、それを乾燥させると蒲黄(ほおう)という生薬になるそうです。
これは、利尿効果のほか、止血作用もあるそうで、昔から白ウサギのような場合の手当に
このガマを用いることが広く知られていたことをうなづかせるものです。